Affinity移行・イラレ代替 byみふプロ
〜Adobe Illustrator CS6 から
Affinity Designer 2 移行 メモ 2025〜
目次
・IllustratorデータをAffinityで開いて編集する・Affinityの初期設定を、Illustrator CS6に合わせる(追加情報あり)
・Affinityオブジェクトの選択や表示について(追加情報あり)
・Affinityで文字を編集する(追加情報あり)
・Affinityでグラデーションを扱う
・Affinityでアピアランスを扱う
・Affinityで配置、パスファインダを扱う
・Affinityのドキュメント設定(追加情報あり)
・Affinityだけの機能
・Affinityで今はできないこと
・Affinityが優れていること
・ひとこと
互換性/書式設定
IllustratorデータをAffinityで開いて編集する
Illustrator(.ai)ファイルは、Affinityで開くことができますが、PDF互換ファイルでない場合には、コンテンツが表示されず、「Affinity全然使えない!」となってしまいます。 対処法としては、Illustrator 側で「PDF互換ファイル」を埋め込んで保存することです。PDF、EPSで保存しても開くことはできますが、aiのPDF互換ファイルが再現率が高いです。

Affinityでようやく無事に開けたと思ったら、フォントがアウトラインされていたり、文字化けされていて「やっぱりAffinity全然使えない!」となってしまいます。 対処法としては、Illustrator 側で使用しているフォントをAffinity側にもインストールすることで、編集可能なテキスト情報になります。特定のフォント(DFPフォントの一部)は、Affinityに対応していないので、その場合は別のフォントを使用するしかないと思います。

Affinityのドキュメント設定
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Affinityで背景を透明にしたドキュメントを作成するには、メニューバーから「ドキュメント設定」を選択します。表示されたダイアログウィンドウで「カラー」タブを開き、「透明な背景」にチェックを入れてください。これにより、背景が透明なドキュメントになります。背景が透明なPNG形式などで保存したいときに必要な設定です。

Affinity オブジェクトのサイズでアートボードを作成
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Affinityでオブジェクトのサイズに合わせてアートボードを作るには、選択ツールでオブジェクトを選び、アートボードツールを選択します。上部の「サイズ:」のプルダウンを「選択」にし、「アートボードを挿入」をクリックすると、オブジェクトの大きさでアートボードが作成されます。アートボードは1つのドキュメントに複数作成可能です。

Affinity 複数のアートボードを一括書き出し(JPG/PNGなど)
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Affinityで複数のアートボードを一括書き出しするには、上部ツールバーの「書き出しペルソナ」を選びます。次に、スライスパネルで書き出しプリセットから希望の画像形式を選択し、保存したいアートボードにチェックを入れます。最後に「スライスを書き出し」をクリックすると、一括で保存できます。

初期設定
Affinityの初期設定を、Illustrator CS6に合わせる
Affinity Designer 2 を起動したら、まず環境設定でツールの動作を Illustrator に近づけることで、作業中のストレスを軽減することができます。「Affinity Designer > 設定 > ツール」 で 「選択マーキーと交差するオブジェクトを選択する」 オプションを有効にすると、Illustrator のようにドラッグすると交差するオブジェクトを選択(移動ツールでオブジェクトを囲むと選択される)ようになります。

NEW 新しいAffinityの場合(デフォルトで、マーキーがオブジェクトに選択になっているようです)

「Affinity Designer > 設定 > ツール」 で 「スクラブズームを使用」 オプションを無効にすると、Illustrator のようなズームになります。スクラブズームに馴染めない方はおすすめです。

NEW 新しいAffinityの場合

ツールバーが微妙にIllustratorが異なるので、 Illustrator に近づけることで、作業中のストレスを軽減することができます。Affinityはメニューバーの表示からツールバーのカスタマイズができます。

NEW 新しいAffinityの場合

NEW 比率を固定して拡大縮小する場合、Illustratorではshiftキーを押しながらドラッグします。Affinityでは、デフォルトでoptionキーになっているようですので、メニューバーの設定を開いて、ツールの中にある、移動ツールの縦横比制約を「デフォルトで制約しない」を選択すると、ストレスが軽減されます。

NEW Illustratorは、Deleteキーでオブジェクトを削除しても、削除は最初に選択したオブジェクトのみで、連打しても次のオブジェクトは選択されません。 Affinityでは、削除後に自動で次のオブジェクトが選択されるため、Deleteキーを連打すると複数のオブジェクトが連続して削除されます。 Deleteキーの連打による誤削除を防ぐには、Affinityのメニューバーから「設定」→「一般」内にある「削除後に選択を維持することを希望」のチェックを外してください。

選択/移動ツール
Affinityオブジェクトの選択や表示について
Affinity のインターフェイスは、Illustratorに似ているようでも、細かい作業になると、あの機能がない、あのパネルがない、と非常にストレスが溜まります。挫折して「Affinity全然使えない!」となってしまいます。そうならないように、比較表を作成して、振り返って慣れるようにしようと思います。
もっともよく使う選択ツールや移動ツールの、比較表です。Illustratorの白い矢印は、Affinityでは、ノードツールと呼ぶので、違和感があります。それ以外は許容範囲でしょうか。

IllustratorのなげなわツールをAffinityで使うには、まずノードツールでオブジェクトを選択して、ノードを表示させます。次に、ノードツールを選んだ状態でOptionキーを押しながらドラッグすると、なげなわツールのような選択が可能になります。Affinityのなげなわツールは独特な操作感のため、慣れることが必要です。

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Affinityの移動ツールでオブジェクトを選択すると、スナップ機能が働いて「紫色のエフェクト」が表示されることがあります。これはIllustrator にはない挙動で、初めて見ると誤って別のオブジェクトを選択したのかと勘違いしやすいです。スナップ機能は。メニューバーの表示から「表示のスナップ」を開いて「スナップを有効にする」のチェックを外すことで無効になります。

NEW
Affinityで複数のオブジェクトを個別に変形させたい場合は、ツールバーの「オブジェクトを別々に変形」をオンにします。その状態で、選択している複数のうち、変形トグルがあるオブジェクトを変形すると、ほかのオブジェクトも連動して変形します。意図しない変形を防ぐためにも、作業が終わったら「オブジェクトを別々に変形」はオフに戻すことをおすすめします。

NEW
AffinityでレイヤーFXを適用したオブジェクトを拡大縮小する場合、FXの効果の幅が変わらない場合があります。これを修正するには、クイックFXの設定にある「オブジェクトとともにスケーリング」にチェックを入れてください。これにより、オブジェクトの拡大縮小に合わせてFXの効果も拡大縮小されるようになります。

| Illustrator CS6 のツール | Affinity Designer 2 のツール |
|---|---|
| 選択ツール | 移動ツール |
| ダイレクト選択ツール | ノードツール |
| ズームツール | ズームツール |
| 手のひらツール | 表示ツール |
| なげなわ選択ツール | ノードツール+オプション |
文字/アピアランス
Affinityで文字を編集する
Illustratorでは、文字ツールで直接入力、またはドラッグしてボックス入力を行います。Affinityでは、直接入力にはアーティスティックテキストツール、ボックス入力にはフレームテキストツールを使用します。 直接入力とボックス入力は、それぞれ利点があるため、両方のツールをツールバーに配置しておくことをおすすめします。Affinityのアーティスティックテキストツールは初期設定ではツールバーに表示されていないため、カスタマイズで追加する必要があります。

| Illustrator CS6 のツール | Affinity Designer 2 のツール |
|---|---|
| 文字ツール | アーティスティックテキストツール |
| 文字ツール+ドラッグ | フレームテキストツール |
Affinityでグラデーションを扱う
Illustratorでは、グラデーションウィンドウからグラデーションを設定します。Affinityでは、ツールバーからグラデーションツールを選択して、変更するオブジェクトを選んだあとに、カラーパレットで色を変更します。グラデーションはライブプレビューで色の変化を確認できるため便利です。

Affinityでアピアランスを扱う
文字の縁どりは、Illustratorではアピアランスウインドウから設定しますが、Affinityでは、レイヤーウインドウからレイヤーエフェクト(FX)で変更して設定する方式のようです。文字ツールからでもできますが、2つ以上の縁どりがどうしてもできなかったので、レイヤーエフェクトが良いと思っています。お気に入りのエフェクトは、スタイルに保存することもできます。

整列/配置
Affinityで配置、パスファインダを扱う
Affinityではパスファインダの一部をジオメトリと呼ぶようです。Affinityの行揃えやジオメトリを使用するには、揃えたいオブジェクトを選んで、右クリック、「行揃え」で左右上下などの配置や、中マドや結合ができます。

Affinityの行揃えやジオメトリは、右クリックやデフォルトのメニューバーには無い機能があります。メニューバーの表示から「ツールバーをカスタマイズ」で、よく使う設定を追加したり、3つ以上のオブジェクトを等間隔に配置するなどの、機能を増やしたりすることができます。

Affinityだけの機能
AffinityでQRコードを作成する
Affinityでベクター形式のQRコードを作成するには、まずメニューバーの「表示」から「ツールをカスタマイズ」を選択し、表示されたウィンドウからQRコード作成ツールをツールバーにドラッグ&ドロップして追加します。次に、ツールバーに追加されたQRコード作成ツールを選択し、アートボード内で、クリック&ドラッグしてQRコードを作成します。画面上部のURL入力欄をクリックするとQRコード編集ウィンドウが開くので、表示させたいリンク先のURLを入力します。作成されたQRコードはベクターオブジェクトであるため、必要に応じて自由にサイズや色を調整することができます。

最後に
Affinityで今はできないこと
・ライブトレース
・縦書き(Affinityで開くと文字化けになります)
・パスの単純化
・ブレンドツール
・グラデーションメッシュ
・消しゴムツール(ピクセルはあるが、ベクターがない)
など
Affinityが優れていること
・安い、買い切り、稀にキャンペーンがあります
NEW今は名称がAffinity by Canvaに変わって無料です(2025/10/31)
・グラデーション設定などがリアルタイムプレビュー
・インターフェイスのカスタマイズの自由度が高い
・大量ヒストリー、スナップショット
・アードボードにレイヤーの名前がつく
・今できないことができるようになる期待感がある
など
ひとこと
間違っている点があれば申し訳ありません。時間をかけて情報更新していきたいと思います。
イラレCS6 からAffinity Designerに移行しちゃうのかな
移行というよりも共存ですね。IllustratorCS6もまだ使えるけど、最新のMacでは動かないから... 2021年頃から試用版を試してたんだけど、使用感が違いすぎてなかなか移行に踏み切れなかったんです。


